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ムカシクジラの動画と解説

ページ公開日:2016年4月3日

ムカシクジラ

生息年代:古第三紀始新統(ヤプレシアン期後期 - プリアボニアン期後期)
年代数値:約5000万年前 - 約3390万年前

ムカシクジラ(アンブロケトゥス)の画像(出典:フリッカー | Flickr - Photo Sharing!)

ムカシクジラ「アンブロケトゥス」
Title:7 Ambulocetus | Flickr - Photo Sharing!
Uploaded by Tanja Neumann

生息地:海洋
分類:哺乳類 / クジラ偶蹄目 / クジラ目 / 原クジラ亜目

ムカシクジラ類

原クジラ亜目に分類されるクジラ類の総称で、原クジラ亜目は「ムカシクジラ亜目」や「古クジラ亜目」とも呼ばれます。
また、「昔鯨(ムカシクジラ)」という言葉どおり、すべて絶滅種であり、現生のクジラ類にとっては祖先グループにあたります。

全長は小型種のクッチケトゥスが約1.5メートル。大型種のバシロサウルスは全長18~20メートルで、最大個体では全長25メートルに達したと推定されています。

クジラ偶蹄目 / クジラ目

上位分類を「クジラ偶蹄目 / クジラ目」という、「目」が連続するややこしい書きかたになっていますが、かつては「偶蹄目」と「クジラ目」は別のグループとして分類されていました。

 偶蹄目(ぐうていもく):ウシやカバ、ラクダなど。ひづめの数が偶数。
 「奇蹄目(きていもく)」はウマやサイ、バクなど。ひづめの数が奇数。


ところが、近年のDNA分析によって、クジラとカバは約7000万年前 - 約6000万年前に、共通の祖先から枝分かれしたことがわかり、「偶蹄目」と「クジラ目」は統合されて、新たに「クジラ偶蹄目」に分類されることになりました。

 「偶蹄目」は廃止、「クジラ目」は分類階級を下げて存続。

クジラ類の進化

現生のクジラ類は水生動物ですが、初期のムカシクジラ類は主に陸地に生息する四肢のある動物でした。

下の動画「Whales evolution」では、「パキケトゥス」「アンブロケトゥス」「クッチケトゥス」「ドルドン」の順に、陸生から水生へと進化していくようすがアニメーションされていますので、当サイトでもこの4種について解説していきたいと思います。

生息年代:約5000万年前(古第三紀始新統ヤプレシアン期後期)
全長:約2メートル
化石産出地:パキスタン、インド
分類:原クジラ亜目 / パキケトゥス科

化石が見つかったのが陸成層(陸地に堆積した地層)であったことから、陸地での生活に適応していたと考えられます。
採食活動は川や湖でおこない、甲殻類や軟体動物などを食べていたとみられますが、水に潜っていられるのは90秒ほどだったと推定されています。

生息年代:約4900万年前(古第三紀始新統ヤプレシアン期後期)
全長:3~4メートル
化石産出地:パキスタン、インド
分類:原クジラ亜目 / アンブロケトゥス科

上記のパキケトゥスの進化形が「アンブロケトゥス」で、大きな尾や後肢に水かきをもつことなどから、アシカのような泳ぎ方ができたと考えられています。
採食活動は淡水域または汽水域でおこない、魚介類などを食べていたとみられますが、陸地の小動物を捕食することもできたと推定されています。

生息年代:約4600万年前(古第三紀始新統ルテシアン期前期)
全長:約1.5メートル
化石産出地:パキスタン、インド
分類:原クジラ亜目 / レミングトノケトゥス科

下の動画のサムネイルが「クッチケトゥス」になります。
上記のアンブロケトゥスの進化形ではありますが、下記のドルドンとは枝分かれした特殊な分類群に属します。

生息年代:約3700万年前 - 約3390万年前(古第三紀始新統プリアボニアン期)
全長:約5メートル
化石産出地:エジプト
分類:原クジラ亜目 / バシロサウルス科

最後のムカシクジラ類の一種になります。
尾は尾ビレとなり、後肢がとても小さくなっています。また、鼻孔の位置も後方へと移動し、現生のクジラ類と見間違うぐらいの姿形になっています。

上記のクッチケトゥスと枝分かれした後に、現生のクジラ類と枝分かれしたと考えられることから、現生のクジラ類とは非常に近縁な関係になります。

参考書籍・参考サイト

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Whales evolution
Uploaded by Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa

伝言版の画像

最古のクジラ

「最古のクジラ」と呼ばれているのが、下の画像のパキケトゥスです。

イヌのような姿形でもあり、とてもクジラ類には見えませんが、現生のクジラ類だけがもつ特徴をパキケトゥスはもっていました。

パキケトゥスの画像(出典:ウィキメディア・コモンズ - Wikimedia Commons)
パキケトゥス
File:Pakicetus BW.jpg - Wikimedia Commons
Author:Nobu Tamura

現生のクジラ類は水中で音を聴き分けるために、「骨伝導システム」のような耳の構造になっています。

同様に、パキケトゥスの耳の周りの骨壁も骨伝導が可能だったとみられることから、クジラ類に分類されます。

ところで、バシロサウルスの全長は18~20メートルということですが、それがどのぐらいの大きさかというと、数値から想像する以上に巨大です。

ナガスクジラの骨格標本の画像(撮影場所:大阪市立自然史博物館)
ナガスクジラの骨格標本
撮影場所:大阪市立自然史博物館
撮影者:当サイトスタッフ/2015年

たとえば、上の画像はナガスクジラの骨格標本で、全長約19メートルになりますが、圧倒的な巨大さを感じます。

クジラとカバは近縁

クジラ類の進化系統の画像
クジラ類の進化系統(簡易ver.)
参照サイト:[PDF]進化 - はじめに
作成:当サイトスタッフ/2015年

クジラとカバが近縁であることや、ムカシクジラ類のドルドンと現生のクジラ類が近縁であることについては、上の画像にまとめてみました。

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